May 19, 2010

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 ■民主側から1億5000万円超

 今回の献金問題をめぐっては、市民の党が北朝鮮側と密接な関係を持つことが次々と明らかになった。入居するビルが北朝鮮に近い関係者が権利の一部を所有していることも新たに判明。そうした市民の党周辺に、なぜ民主党側は1億5千万円を超える大金を注ぎ込んだのか。深い“闇”は残ったままだ。

 東京都三鷹市議選に市民の党から出馬した長男(28)は、父親がよど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーで、母親は昭和55年に石岡亨さん=拉致当時(22)=と松木薫さん=同(26)=を欧州から北朝鮮に拉致したとして、結婚目的誘拐容疑で国際手配されている森順子容疑者(58)。市民の党は事実上の機関紙に田宮元リーダーの寄稿を掲載するなど、長年にわたり北朝鮮やよど号犯に近い姿勢を保っていた。

 ◆帰国後つながり

 酒井代表は産経新聞の取材に「10年ほど前に北朝鮮に行き、よど号の人間たちと会った」と発言。「その中には(市議選に出馬した)長男の姉もいた。そうした縁もあり、長男が(日本に)帰国してからつながりがあった」と市議選擁立の背景を明らかにしている。

 北朝鮮とのつながりは、これにとどまらない。不動産登記によると、市民の党が入居する東京都千代田区平河町の「龍伸ビル」の建物の一部の権利は、朝鮮総連系商工会元会長の男性(48)が経営する不動産会社が所有する。男性は朝鮮総連傘下の「在日本朝鮮青年商工会」中央会長を務めていた。

 一方、民主党側は資金面で、市民の党や派生団体である「政権交代をめざす市民の会」を支援した。産経新聞の調べによると、菅直人首相や鳩山由紀夫前首相の資金管理団体のほか、「民主党東京都総支部連合会」(東京都連)も献金。さらに城島光力政調会長代理も個人献金するなど、民主党側からの資金提供総額は判明分だけで計1億5533万円に上っている。

 ◆証人喚問は微妙

 献金について菅首相は、参院予算委員会の答弁で「もしそういうこと(拉致実行犯と近い関係)があったとすれば申し訳ない」と拉致被害者家族に謝罪したが、献金の目的については「ローカルパーティー(地域政党)との連携・支援のため」と明確な説明を拒んだ。

 自民党は真相究明のため酒井代表の証人喚問を求めたが、会期末を31日に控え、実現は微妙な情勢だ。一連の問題を追及している同党の古屋圭司衆院議員は、「首相は辞める前に国の指導者として説明責任を果たすべきだ」と訴えている。

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 菅直人首相の資金管理団体が、日本人拉致事件容疑者の長男(28)が所属する政治団体「市民の党」(酒井剛代表)から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」に6250万円の政治献金をしていた問題は、菅首相側が政治資金規正法に抵触する可能性も浮かぶ事態に至っている。めざす会の巨額の「人件費」が公職選挙法違反にあたるとの指摘も浮上。民主党全体に根を下ろす献金問題について、「捜査で解明すべきだ」との声も上がっている。

 菅首相の資金管理団体「草志会」は平成19〜21年、めざす会に計6250万円を献金。特に19年は4月15日〜12月28日に計8回に分け、規正法で定められた上限額の5千万円を献金している。

 この19年の献金をめぐり、矛盾が浮かび上がる。収支を日付順に並べ替えてみると、草志会が5月8日にめざす会へ500万円を支出した段階で、草志会の資金残高がマイナスになることが判明したのだ。その後、同25日に民主党本部から3千万円を受領するまでは現金が足りない状態が続く。借入金などの記載はない。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「帳簿上の金額が不足した状態での献金は不可解。不透明な借入金の存在なども考えられ、首相には説明責任が求められる」と話す。

 市民の党、めざす会側にも不可解な点がある。菅首相から巨額の献金を受け取った19年に、めざす会は「人件費」5515万円を計上した。18年は0円だったことから、突然、巨額の人件費が発生した格好だ。

 市民の党やめざす会は、「有権者へのはがき送付など独自の選挙ノウハウを持っている」(政界関係者)とされる。19年は参院選と統一地方選が重なった年であることから、多額の人件費は民主党候補陣営に派遣した“運動員”への報酬ではないか、との指摘が出ているのだ。

 東京大学の谷口将紀教授(政治学)は「人件費はあくまで、その政治団体のために働いた人に払う報酬。別の団体のために働いていたとなれば、人件費を肩代わりしていたことになる」と説明。候補者側とめざす会側で選挙活動の応援などで合意があった場合、公選法で禁じられている選挙運動者への報酬提供の疑いが浮上するという。

 また、市民の党系地方議員が、市民の党や民主党議員の国会議員関係政治団体などに、毎年多額の献金をしている実態を問題視する声もある。

 自民党の「菅首相拉致関係献金疑惑追及プロジェクトチーム」の古屋圭司座長は、地方議員からの献金が最終的に市民の党に流れており、1団体に対する個人献金の年間上限額の150万円を超える形になるのではと指摘。「(民主党の団体を使った)迂回(うかい)献金に当たるのではないか」との見解を示している。

 一連の疑惑について若狭弁護士は「水面下で何らかの動きがあったと疑わざるを得ないが、違法性を問うことは容易ではない。刑事事件として徹底的に捜査を進めることでしか、疑惑を明らかにすることは困難だろう」としている。

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